2006年10月22日

電磁気学の知識

磁場解析を行う設計者もしくは解析専任者はどの程度電磁気学を理解しておくべきなのか?

磁場解析を行う目的、解析を行う環境、解析を行うソフトが自作なのか?市販のものなのか?などよっても異なると思いますが、磁場解析を行う際に必ず行う流れがあります。

@解析条件(モデル・メッシュ・材料定義・境界条件)の定義
Aソルバーの選定(非線形計算を含む)
B解析自体が間違っていないことを確認
C解析結果がどのような結果となっているかを判断
D解析結果を踏まえ解決策を導く(設計最適化する)
E結果を設計者(部門)に説明


以上の中で、電磁気学の知識を要する項目として以下の項目が挙げられます。

@の解析条件の定義では、材料定義と境界条件が挙げられます。磁性材料の材料特性は、線形材料は比透磁率,保磁力,非線形材料は初磁化特性(BHカーブ)により定義されるのが一般的です。したがって、定義するものがそれぞれどのような意味を持つのかは重要です。

また、磁場解析の代表的な境界条件として、電流荷重が挙げられ、一般には電流密度により定義されることが多いようです。


Bの解析自体が間違っていないことを確認するためには、現実には起こりえない磁界分布や磁束密度分布を見極める必要があります。その原点としては、入力されるエネルギーにより決まる磁界(磁界強度)と結果として現れる磁束密度の関係が把握できているかが大切です。


CDの結果の判断については、さまざまな場合が想定されますが、磁気回路の最適化に限れば磁気飽和現象の判断が欠かせません。その判断には当然非線形材料の材料特性の知識が必要となります。

他にも鉄損の問題であれば、周波数応答解析,渦電流,導電率etc.の知識は必要となりますし、マグネットの減磁が大きい場合には、パーミアンス係数や動作点の理解が必要です。


Eの結果の説明ですが、実際にはこれがもっとも難しいと感じています。自分で解析して自分で設計する場合は必要ありませんが、解析を専任として行っている場合、必ず自分の見解を説明しなければなりません。説明する以上、説明される側の理解度が重要となりますが、こればっかりは説明される側に左右されてしまいます。

したがって、難しい内容の結果であっても理解しやすいように説明する必要も時にはあります。難しいことを説明することは、すべてを理解していないと出来ない場合も多く、相手のわからない言葉をすべて噛み砕いて説明する必要もあるため、十分な知識が必要となります。

最終的な”仕事としての結果”は結果説明とその理解がなければ成立しませんので、もっとも重要となる部分かもしれません。


話は若干反れましたが、結論としては、現象を把握(解析)するために必要とされるフローをすべてこなすために必要な知識はすべて理解する必要があると考えられます。

中でも、磁性材料・マグネット・磁界と磁束密度の関係・磁気飽和現象については必ず必要となりますので、知識として持っておく必要があると言えます。


posted by 研究員 at 22:18 | 磁場解析を始める前に
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