2006年10月21日

コア材の磁気特性

モータにおいてコアは、磁気回路を構成する重要な部品です。
そのため、コアの材質によりモータ特性は大きく左右されます。

コアの材質としては、電磁鋼板と呼ばれる磁気特性に優れた特定の材料が用いられます。

鋼板は圧延工程により製造されますが、その際、機械的な加工の影響により材料に磁気的な方向性が生まれます。磁気的な方向性とは、材質の向きにより磁気特性が異なることです。

磁気的な方向性があると特性に影響があるため、無方向性としたモノが一般的で、普通電磁鋼板といえば、無方向性のものを指します。

また、磁気的な方向性はコアのみならずどのようなものでも問題となるため、方向性を取り除く方法として、磁気焼鈍(しょうどん)を用いることがあります。

磁気焼鈍とは、圧延・打抜などの加工時にのこる残留応力を取り除き、 残留応力の影響による保磁力を取り去る工程です。

他にも、鋼板を積層させて用いる場合には、圧延方向が揃わないように重ねることにより磁気的な方向性の影響を低減することが出来ます。

材質の磁気特性の選定に際しては、透磁率の高さが最重要となります。コア材に透る磁束の量はトルク定数・逆起電力定数に直接起因します。


また、ヒステリシスループの面積が大きい材料では、残留磁束分のエネルギーが残ります。最終的には熱となって損失を発生させます。一般にこの損失をヒステリシス損失と言います。

ヒステリシス損失を小さくするためには、ヒステリシスループの面積の小さい材料を用いる必要があります。


さらに、コア材内部には、磁束が流れる際に、その磁束により電流が発生します。この電流をうず電流と言いますが、うず電流はコア内部にジュール熱を発生させ損失を生み、また、励磁により内部磁束密度が上昇し見掛け上の透磁率を低下させる影響があります。

うず電流を抑制するためには、コアの材質に導電率の低い材料を用いる必要があります。


ヒステリシス損失および渦電流損失を合わせた損失を鉄損と言いますが、鉄損を低減するために開発された材質が一般的に用いられるケイ素鋼板に代表される電磁鋼板ということです。


posted by 研究員 at 21:53 | モータの磁気回路設計
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